取材日:2016年12月10日 インタビュイー:3年生 五十嵐 康汰くん インタビュイー:3年生 渡部 尚哉くん インタビュアー:東京大学1年 平井貴之 吹奏楽部OB
平井:中学受験のとき、浅野以外にどんな中学を受けましたか? 渡部くん:駒場東邦、攻玉社です。 五十嵐くん:僕は駒場東邦、サレジオ学院、聖光学院です。 平井:あれ?二人は、どこに住んでいるの? 渡部くん:僕は、かなり川崎寄りの東京です。 五十嵐くん:僕は、横浜の隣の大和市です。 平井:そっか。だから、東京の学校も一緒に受けたんだね。
平井:なぜ浅野を志望したのですか? 渡部くん:浅野は男子校っぽさというよりは爽やかなイメージで、結構雰囲気がよかったからです。 平井:受験前に何度か浅野に来たことがあったの? 渡部くん:文化祭に1回来たことがあります。 五十嵐くん:僕は文化祭に行って、その雰囲気のよさで志望校を決めました。 平井:浅野以外に文化祭を見に行った学校がありますか? 渡部くん:筑波大学附属駒場に行きました。あとは隣の駒場東邦にも行って、攻玉社にも足を伸ばしました。 平井:その3校の文化祭は、正直にどんな感じだった? 渡部くん:筑波大学附属駒場は、案内についてはどこに行けばいいのかが割とわかりやすかったです。結構、充実した文化祭かもしれないですね。 平井:へー。浅野より、男子校っぽかったってこと? 渡部くん:そうですね。設備面では、古き良きという感じでした。 平井:五十嵐くんはどうだった?ほかの学校を見に行った? 五十嵐くん:僕は駒場東邦、早稲田、浅野を見に行きました。正直にいえば、駒場東邦と浅野は、先輩の受け答えから感じる雰囲気がむしろ男子校っぽくて少し似ていると感じました。それで志望校は浅野と駒場東邦に決めました。
平井:浅野のどんなところが好きか、3つ教えてくだ
さい。まず五十嵐くんから。 五十嵐くん:自然がいっぱいあって景色がいいところ。具体的には富士山が見えることと、高校棟から横浜のいろんなところが見渡せるところ。 あとは、うーん咄嗟には思いつかない。
平井:3つ、あるかな。 渡部くん:浅野は山の上にあるので、景色のいい場所です。自然が多いってことは、都会生活に花を添えるみたいな感じだと思います。 平井:ほかには?
五十嵐くん:設備が整っていると思います。僕は昼 休みにサッカーをするんですけど、グラウンドが人工芝に変わったことが、ものすごくうれしかったです。
人口芝だと、埃や土を気にしないで遊べるから、そこ
がすごい。 平井:人工芝になったのは、今年? 渡部くん:そうです。体育祭の直前です。 平井:羨ましいな。ほかに、なんかある? 渡部くん:ほとんどの教室にプロジェクターがつい ているのは、大きいです。 平井:授業で結構、使っている? 渡部くん:そうですね。割とたくさんの先生が使っていると思います。 平井:そうなんだ。プロジェクターが普及しているんだね。いつ、入ったんですか? 渡部くん:僕が入学したとき、プロジェクターは既に入っていました。 森先生:平井くんが中3のときだから、4年ぐらい前です。 平井:そっか。4年ぐらい前の導入なんだ。2人からはよいところがまだ2つしか出ていないんだけど、ほかに何かない? 五十嵐くん:ほかの学校と比べられないからわからないんですけど、率直に感じることは、教科ごとにプリントを使った授業が充実していることだと思います。たとえば数学だったら、先輩たちが実際にやった宿題や問題集から抜粋した問題などが載っていて、昔からずっと続けられてきた感のあるプリントです。 平井:ずっと蓄積されたノウハウが詰まったプリントですね。 編集部:特製プリント? 渡部くん:はい。授業でプリントを使う先生が多くて、ノートだけを取れという先生はあまりいません。 平井:今のところ2人から出てきた浅野のよい点は、立地と設備と教材ですね。浅野にいる人間について、2人はどうして何も気づかないの? 渡部くん:生徒と先生の仲がいいっていうのは、結構わかりますね。 平井:先生たちの控室が各階にあるよね。そういう部屋がない学校がほとんどだと思うけど。 渡部くん:そうですね。控室があることが、浅野のよいところですね。 平井:控室があることで、かなり距離を縮められると聞いたことがあります。 五十嵐くん:そうですね。朝、先生と話しに控室に行く人がいますね。 平井:まとめると、自然がいっぱいなところと、教材の特製プリントがわかりやすいのと、先生と生徒の距離が近いことの3点ですね。
平井:次の質問に行こっか。今度は直したほうがいいと思うところをいくらでも挙げてください。 渡部くん:ここ最近、いろんな新しい設備がバンバンできているので、あんまり思いつきません。これを新しくしたほうがいいと思う設備は結構少ないかも。 平井:それでは、制度に何か不満はある? 渡部くん:制度ですか。あっ、設備でいうと、中学棟が新しいので高校棟の設備が若干劣っています。 平井:そうだよね。あれっ、2人ともまだ中3? 渡部くん:中3です。 五十嵐くん:そうです。 平井:そうだよね。これから高校棟に入ると、ちょっと冷房が効かなかったりするからね。(笑) 森先生:それは大丈夫。こないだ工事していたから。 平井:おー、いいですね。まだ音楽室は使いにくい? 五十嵐くん:使いにくいです。部員数が増えたので、人数に対してとても狭いです。 渡部くん:吹奏楽部は今51人います。 平井:そうなんだ。 渡部くん:青の学年が22人、赤の学年も20人ぐらいで、僕たちの下の学年が多くて中2と中1だけで全体の半分ぐらいいます。 平井:吹奏楽部としてはね、音楽室をもう1つ増やしてほしいよね。 五十嵐くん:部活関連でいったら、練習場所が今、音楽室とその隣の書道室だけなんです。休日はそんなに人もいないはずなので、中学棟も使って練習したいです。 平井:そうだね。書道室はまだ使わせてもらえているんだ? 五十嵐くん:そうです。 平井:ちなみに赤と青って何ですか? 渡部くん:浅野には3年周期で黄色、青、赤の順で学年の色が決まっています。色ごとに学年が上がっていくんです。 平井:じゃあ、赤の学年と青の学年がたくさん入って来たってこと? 渡部くん:そうです。中1と中2です。 平井:仮に中3生が黄色だとすると、彼らが高校1年になった段階で黄色がそのまま中1に下りて一巡する仕組みです。 編集部:なるほど。 平井:なんだ。直したほうがいいところが、もうちょっとあると思ったのに。 森先生:あるでしょう。まだいっぱいあると思うよ。 平井:宿題が多いとか。 渡部くん:そうですね。(笑) 五十嵐くん:僕は研修旅行で海外に行ってみたいです。 平井:そうだよね。だって高校の研修旅行が、まだ長崎だもんね。まだ、もっとあるでしょ。(笑) 渡部くん:強いていえば、体育館がちょっと脆い。(笑) 平井:生徒向けの落成記念式典の前に穴が開いたという、あれですか。また、なんかいろいろあったの? 編集部:壁? 五十嵐くん:壁です。 平井:滑って転んでスライディングしただけで、穴が開いたんですよね? 森先生:そう。その式典前に穴が開いた事件は、卓球部員が滑ってズダーっとスライディングしたら足がメリって壁にめり込んだという話ですよ。もちろん、きちんと補強しましたけど! 編集部:なるほど。 五十嵐くん:あとは、食堂を作ってほしい。 平井:まだ食堂を作ろうぜという生徒会運動はしている? 五十嵐くん:最近あんまりしていないです。 平井:していないんだ? 渡部くん:でも、生徒ホールの椅子は埋まっていますよ。たまに、購買に何かを買いに行くと、ワイワイやっているのを見ます。 森先生:まだ設備、環境以外の人間的な部分が出て来ていないでしょ。(笑) 渡部くん:どうしようもないのかもしれませんけれど、学校が広いので、移動が多くて疲れます。 平井:動く歩道をつけてもらいますか。(笑) 森先生:たしかに、エレベーターが使えないしね。 渡部くん:エレベーターが使えないので、音楽の次の授業が体育だと音楽室から中3のフロアまで戻って着替えてから、また音楽室と同じフロアの体育館まで行かないといけない。 平井:音楽室が地下2階ですよね。 渡部くん:はい、音楽室も体育館も地下2階です。 平井:地下2階から、連絡通路で中3フロアまで行くの? 渡部くん:中3フロアが別の校舎の5階にあるんです。たとえば音楽の次に体育の授業があったら、休み時間10分の間に7階分を昇って着替えて8階分降りなきゃいけないんです。(笑) 平井:そんな時間、ある? 渡部くん:なんとか。(笑) 平井:絶対10分じゃ間に合わない。そこは直したほうがいいよ。
平井:君たちが一番力を入れているのは、勉強?それとも部活?ゲーム?そのほかのものかな? 五十嵐くん:部活動です。 渡部くん:部活です。 五十嵐くん:吹奏楽部は、忙しいんです。 渡部くん:そうだね。 五十嵐くん:はい。どうしても、部活に一番力を入れちゃいますかね。 平井:吹奏楽部は、今、週何日でやっているの? 五十嵐くん:週5です。 渡部くん:平井先輩の頃と、基本的には変わってないです。週5からで土曜日を入れると週6です。 平井:平日の部活は、今は何時から何時ぐらいまで? 渡部くん:冬は5時まで、夏が5時半までです。 五十嵐くん:季節によって、実質1時間半から2時間くらいの活動です。 平井:ほかの部活も皆、その程度の時間かな? 五十嵐くん:平日はあんまり変わらないです。でも日曜日や祝日だったら、運動部は午前中だけですけど、吹奏楽部は室内なので午前9時から午後3時までやっているので疲れます。 森先生:そんなに、やっているの? 渡部くん:いや、日曜日の午前午後をまたいでいる部活ってないです。 平井:サッカー部は午前8時から12時でしたっけ? 森先生:いや、サッカー部は通常2時間の練習だよ。 渡部くん:短い! 森先生:練習試合や公式戦があると拘束時間が長くなるけど、休日の通常練習は2時間です。要はそれ以上やっても、ほら、運動部の場合は効率が落ちるから。 平井:そうですね。ふだん、勉強していますか? 渡部くん:それなりに。 平井:いや、ダメだよ。入ってくる人がみんなマジメに勉強しなきゃと思ったらかわいそうだから、正直に言って。実際、どのぐらい勉強している? 五十嵐くん:ほとんどしていない週と、ものすごくやる週があります。テスト前は猛烈に勉強して、普通の授業のときは宿題だけで終わらせています。でも改まって聞かれると、あんまりしてないです。 平井:中3だと、塾にはもう行っている? 渡部くん:稀に、塾に行っている人がいます。 五十嵐くん:僕たちは行っていない。 平井:部活が忙しいもんね。 森先生:どのぐらいの人が、塾に行っているの? 渡部くん:そんなにいないです。 五十嵐くん:たとえば数学や英語1つだけに絞ったら、数十人ぐらいはいるんじゃないですか。 平井:学年で30人ぐらいかな。 渡部くん:たぶん、もうちょっと少ないかもしれない。 平井:1割ぐらいかな。 五十嵐くん:中3はあんまりいないです。でも高校からは、塾に行く人が増えると思います。 渡部くん:増えるかもしれない。気づいたら、宿題がものすごーく溜まっていることがあります。 森先生:どのぐらいの宿題が出るの? 渡部くん:出る時は出ますから、結構な量です。 五十嵐くん:プリントの枚数で言うと、たとえば数学で中間試験の範囲だったら、1教科につき20枚ぐらいです。 渡部くん:1回の数学の授業でプリントが1枚~2枚。それが火水木の3日ぐらいに固まっていたりすると、結構大変。 平井:明日までにやって来てみたいになるからね。 渡部くん:そうです。 平井:それでは2人の意見をまとめると、一番力を入れているのが部活で、次が勉強ですね。
平井:勉強は、いつもどこでしているの? 五十嵐くん:家です。 渡部くん:家です。 平井:図書館は、あんまり使わないの? 渡部くん:図書館だと、本を読んじゃうので使いません。 平井:そっか。試験期間前は、まだ教室に居残って勉強している? 五十嵐くん:居残りは、してないです。 渡部くん:そんなに居残ったりしません。 平井:家では自室で勉強するの? 五十嵐くん:そうですね。 渡部くん:気が向いたら、自室に行きます。 五十嵐くん:主に自分の部屋でやっています。 渡部くん:家で宿題だけをゆるゆるとやって終わるって感じですね。 平井:たしかに、家で宿題だけやればいいみたいなとこがある。
平井:睡眠時間はどれぐらい? 渡部くん:6~8時間ぐらい。 五十嵐くん:僕も12時~6時ぐらいまでの6時間ですね。テスト直前に夜更かしして、宿題が追いつかないと3時間になっちゃいます。 森先生:3時間睡眠? それは、相当だよ。 平井:それだと、5、6時限目ぐらいに眠くならない? 渡部くん:授業によりけりだけど、たまに眠くなりますね。 平井:では聞くけど、学校での睡眠時間はどれぐらい? 渡部くん:学校では、基本的に寝ないようにしています。ただ、ヤバそうなときは、炭酸飲料を買います。(笑) 五十嵐ん:そうですね。歴史の授業で10分ぐらい意識がないこともあるかもしれません。
平井:通学時間は、どのぐらいかかっているの? 五十嵐くん:1時間です。 渡部くん:僕は45~50分で着く距離です。 平井:同じ学年もしくはクラスに、すっごい遠くから来ている生徒はいるの? 五十嵐くん:はい、千葉から2人来ています。たぶん、千葉の市川から来ている生徒が一番遠いと思います。
平井:学校に携帯を持って来ていますか? 五十嵐くん:持って来ています。 渡部くん:僕も。 平井:みんなは、もうスマートフォンだよね。 渡部くん:僕はガラケーです。 五十嵐くん:僕はスマホです。 平井:中3だと、スマホを持っているのは半分くらいかな? 渡部くん:うん。半分ぐらいですね。 五十嵐くん:えっ。4分の3ぐらいじゃないのかな。 渡部くん:学年によってまちまちです。今、中1はとても多いです。 五十嵐くん:中1はほとんどスマホです。 渡部くん:時代を感じますね。 平井:君たちの世代で、ギリギリもう取り残されている感じかな。 渡部くん:そうですね。今の中1生は最初からスマホしか持ったことがないみたいです。僕がケータイを持ったのが、受験合格後で入学直前の小6のときでギリギリです。 五十嵐くん:僕は中1のときにスマホを買ってもらったので、最初からスマホです。 平井:え、なんか、自分でミスって使いすぎちゃったことがある? 五十嵐くん:僕は、使いすぎです。 渡部くん:僕はメールしか機能のないガラケーなので、使いすぎようがないですね。 森先生:ちなみに、スマホで何をやるの? 五十嵐くん:スマホでゲームと音楽を聞くのとネットを見るのとそれぐらいですね。 渡部くん:僕は音楽を聞くのと、ネットを見るのはパソコンの役目になっています。持っているのがガラケーなので、音楽はウォークマンで聞きます。 平井:えっ、自分のパソコンを持っているの? 渡部くん:いいえ、自分のパソコンは持ってないです。ただパソコンがなぜか家に3台もあります。 平井:学校で携帯はいじる? 渡部くん:必要がないので、いじりません! 五十嵐くん:いじりません!
平井:1日にインターネットを何時間ぐらい利用しますか? 渡部くん:2時間ぐらいです。 平井:スマホも含めたインターネットの利用時間を聞いているのだけど。 五十嵐くん:2時間ですよ。僕はスマホだけで、パソコンはあんまり使わないんです。 平井:2時間も使っていますかね? でも学校で利用する時間を除いて、2時間は使っているほうだと思いませんか? 渡部くん:部活を終えて家に帰ってからなので、2時間使えばギリギリ寝る時間になっちゃいます。 平井:インターネットをどんなものに使っているの? 五十嵐くん:僕はだいたいユーチューブで音楽を聴くのに使っています。 渡部くん:そうですね。ユーチューブ以外は、パソコン専用の無料フラッシュゲームに使っています。
平井:中学に入学して、印象に残っている出来事はありますか? 五十嵐くん:最近の一番大きな行事が京都への研修旅行だったので、それかな。 平井:どうだった? 五十嵐くん:結構長い旅行日程だったことと、自由に行動できたことが楽しかったです。 渡部くん:楽しかったんですけど、当たりが悪くて、清水寺、法隆寺、東寺、銀閣寺、薬師寺、東大寺、二条城と、どこに行っても工事中でした。 平井:アンラッキーだったね。それが中学に入学して印象に残っていることかな。 渡部くん:浅野の敷地内は、起伏が激しいですよね。ほかは整地されているのに、ここの敷地に入った途端、急に崖になっていて、時代に取り残された感がハンパない。数年前、旧多目的コートの横の斜面が、1回ちょっと崩れたんです。すっごいとこを開拓したなと、正直、思いました。 平井:まさに、開拓だよね。あと何かある? 五十嵐くん:中1限定で印象に残っていることだったら、僕の場合、テストの点数が1番良かったのが中1でした。 森先生:過去の栄光ってやつだよね。(笑) 渡部くん:中1の1学期の中間試験は、ほとんど何もやっていないので、結構簡単なんですよ。割といい順位が取れます。 平井:どうしよう。僕は、半分から下だったんだけどな。(笑) 渡部くん:グラウンドが広いのは、結構、印象的かな。 平井:そっか。研修旅行のような行事系以外だと、浅野の立地が印象に残るんだね。
平井:浅野に入学してよかったですか? 五十嵐くん:よかったです。 平井:満足度を5段階で教えてください。 渡部くん:5というのもあるよね。 五十嵐くん:4.5ぐらい。ほとんど満足です。 平井:ここが、第一志望だった? 渡部くん:そうですね。第一志望を浅野と考えていたとき、志望する学校よりちょっと上のレベルの学校を目指した方がいいと言われて、駒場東邦にしました。レベル的には、駒場東邦が浅野より上の学校になっているんですね。それで気がついたら、駒場東邦が第一志望になっていたんです。でも駒場東邦を落ちたので、そういえば浅野が第一志望だったと、もう一度気づきました。 五十嵐くん:僕は駒場東邦が第一志望で、浅野は第二志望でした。 平井:それでも、やっぱり入ってよかった? 五十嵐くん:僕は男子校らしさに惹かれるタイプなので、浅野に入ってよかったです。
平井:入学して自分がなんか変わったと思うことはありますか? 渡部くん:最近、浅野で始めたエンパワーメントプログラムに参加したことが、いい経験になったと思います。中3と高一のひとまとまりにつき、大学から招いた留学生を一人加えたグループで、5日間いろんなことをするプログラムなんですけど、価値観がいろいろ変わりました。 五十嵐くん:僕は小学校5年生から塾に行っていたので、塾中心の生活でした。でも浅野に入ってからは当然塾に行かなくなったので、学校でいろいろなことを経験しています。なので塾から学校中心に、生活が変わった。 平井:学校はやっぱりコミュニティがメインになるからね。 【※編集部注釈:エンパワーメントプログラムとは、中3・高一の希望者を対象に、米国からUC系列の大学生をアドバイザーとして招き、国際情勢や科学に関する課題について少人数のグループで徹底して英語でディスカッションしたり自分の考えをスピーチしたりするプログラム。】
平井:好きな先生を2人教えてください。 五十嵐くん:僕は学年主任の廣瀬先生が、いつも優しくて好きです。中1のときの担任の先生だったのですが、1年に1回面談があって、そこで的確なアドバイスをもらいました。それが、すごくうれしかったので、今でも一番好きです。 平井:どんなアドバイスをもらったかを聞いても、大丈夫? 五十嵐くん:数学であんまり点数を取れないと、相談しました。そしたら具体的に、時間を測って、その間に何問解けるかをやっていけばいいとアドバイスしてくれました。数学の先生じゃなく、理科の先生なのにそういうことを言ってくれたんです。今は、割と数学も得意になったので、それが好きな理由ですね。 平井:渡部くんは? 渡部くん:僕も廣瀬先生は、中1の担任だった。人柄がいいっていうか、優しい感じの先生です。 平井:僕は、広瀬先生の授業を受けたことがないんだよね。ほかに、もう一人ぐらい、いらっしゃいませんか。 五十嵐くん:宮坂先生。歴史を受け持ってくれています。宮坂先生はエンパワーメントプログラムにすごく熱心で、いろいろ話してくれます。プロジェクターを活用した授業が、とてもわかりやすくてノートも取りやすいので好きです。 平井:渡部くんは? 渡部くん:いい先生が多いので、一概には言えないんですけど。 平井:面白い先生は? 渡部くん:そうですね。今年で定年なのがちょっと残念ですけど、安井先生です。 平井:あの先生もなかなかの名授業だからね。 渡部くん:名授業です。 森先生:平井くんの学年は、安井先生が中3の担任だったよね。 平井:あの先生のおかげで僕は英語の長文を読めるようになったんです。山口県出身の人なんですが、ふだんの喋りが山口弁かどうかは定かではないです。 編集部:どんな感じで喋る方なの? 渡部くん:結構、情熱に訴えかけてきます。 平井:僕らは作っていたけど、安井先生の名言集を作っていない? 渡部くん:もう多すぎますよね。 平井:「不可能の反対は可能ではない、可能の反対は不可能ではない、チャレンジだ」っていう名言があるんだけど、聞いたことない? 渡部くん:それはないですけど。安井先生の中2の最後の授業の挨拶のときに、「安井先生、来年もやるんですか」と聞いたら、「さよならだけが人生だっ」と言って去っていった。(笑)
平井:好きな授業は、何ですか? 五十嵐:生物が好きです。 渡部くん:眠くならない面白い授業が結構あります。(笑)
平井:授業の進度は早いですか。 渡部くん:それは、先生によってまちまちですけど。 五十嵐くん:数学と英語は割と早いです。 渡部くん:割と早いですね。それこそ気づいたら宿題がめちゃくちゃ多い。そういえば、長い雑談を挟んでも普通の進度で終わらせる先生と終始急いでも終わらない先生と、教科が悪いのか先生が悪いのがわからないんですけど、随分差があります。 平井:でも、ついて行けないことは。 渡部くん:ないです。
平井:部活は、2人とも吹奏楽部ですか? 渡部くん:はい。2人とも、吹奏楽部です。 平井:吹奏楽部といえば、上下関係はどうですか? 渡部くん:いい感じの関係だと思います。 五十嵐くん:適度な感じですかね。 渡部くん:そんなに、上下の開きはないです。 平井:小学校から入ってくるとき、ビシバシやられる印象がなかった? 渡部くん:あー、結構あったかも。 五十嵐くん:高校と一緒だとなんか怖いみたいな! 渡部くん:怖そうだよね。 平井:野球部にはケツバットが当たり前みたいな印象があって入ってきた。(笑)
平井:楽しい行事は、何ですか。
渡部くん:文化祭ですかね。 五十嵐くん:文化祭です。 渡部くん:あとは、自由時間の多い中学スポーツ大会かな。 平井:球技メインのやつだよね。体育祭はどうなの? 渡部くん:吹奏楽部は、体育祭では専用テントがあって日差しも雨風もしのげるし、割とテリトリーが広い。部員以外の人はズラーッと詰めて並べられるので、移動しにくいと思う。体育祭は優遇措置という感じで、吹奏楽部のテントからドリンクサービスも近い。 平井:2人は文化祭を回ったことがある? 五十嵐くん:あんまり回っていません。 渡部くん:結局、回ろうと思っても昼休みの1時間ぐらいしか空き時間がないんです。吹奏楽部は、今年は特にアンサンブルがあったので、回れませんでした。かき氷を買ったぐらいですね。 平井:それぐらいか。屋外で最初にする演奏をまだやっているんだね。 渡部くん:結構自由にやっていいよという感じですが、一昨年に比べたら割と規制はありましたね。 平井:目玉の出し物とかある? 五十嵐くん:吹奏楽部のですか? 渡部くん:吹奏楽部の目玉? 平井:ここで吹奏楽部のアピールを大いに入れてください。(笑) 森先生:実際、吹奏楽部は人気あるよね。 渡部くん:冷静に考えると、吹奏楽部は文化祭のプログラムの一番最後に1回きりの演奏なんです。しかも会場が体育館なので、演奏が終わってから投票所まで行くのに、たった5分しかないのに、また坂を登らないといけないわけですよ。だからその点で考えると、昼に4回ぐらいの公演をやっているジャグリングが、かなり有利。実際に今年はジャグリングが1位だったんです。でも吹奏楽部は、そこに食いついていける絶大な人気があるのかなと思います。 【※編集部注釈:文化祭では、各団体がお客さんからの得票数を競う「ASANO the BEST」という企画がある。】 平井:立地が悪いのに、吹奏楽部は勝負はれるもんね。
平井:浅野には食堂がないですよね。あれば、いいと思う? 五十嵐くん:あったらいいですよね。 平井:まあ、なかったらなかったで、どうにかなりますけどね。購買は、使っている? 五十嵐くん:購買はたまに使います。 渡部くん:僕は、たまにプリンを買うぐらい。購買部は割と食品が充実していて、自動販売機でカロリーメイトを売っています。 平井:食堂とカロリーメイト比較されても。(笑) 購買部でパンを買って、食べる? 渡部くん:最近、学校のパンは買ってないですね。 平井:学年でどれぐらいの生徒が、購買部を使っている? 五十嵐くん:週にこの日はパンにすると決めている人はいます。でも、毎日使ってる人はあんまりいません。 平井:みんな、だいたい弁当だよね。 五十嵐くん:だいたい弁当ですね。
平井:制服は、気に入っていますか? 五十嵐くん:はい。気に入っています。 渡部くん:シンプル イズ ベストなので、気に入っています。
平井:休み時間は何をしている? 渡部くん:基本的に、何をするでもなく、ぼーっと喋っている感じです。 平井:昼休みは、何分あるんだっけ? 渡部くん:昼休みは40分。 五十嵐くん:僕はグラウンドで20分、サッカーしています。 平井:割と、やりたいことができるよね。 渡部くん:そうですね。
平井:友だちとどんな話をすることが多いですか。
渡部くん:幅広いジャンルで話すので、特に決まってないです。 平井:よくする話は、何ですか。 五十嵐くん:サッカーの話は、よくしています。 渡部くん:ふだんインドア派の集まりにいるので、サッカーの話はあんまり出てこないですかね。割と、ゲームや趣味系の話をしています。 平井:漫画とかかな? 渡部くん:そうですね。 平井:芸能人の話は? 渡部くん:する。 五十嵐くん:かわいいとか、そういう話は聞く。 渡部くん:意外! 編集部:あのー、彼女の話はしないんですか?(笑) 渡部くん:それは男子校でする質問じゃないです。(笑) 平井:女子がいないと嫌だと思ったことがない? 五十嵐くん:浅野に入る前は女子がいないことがいいなと思った。でも今になって少女漫画を見ていると「あ、なんかいいな」と思います。(笑) 渡部くん:共学は治安が悪いというイメージが勝手に出来ています。(笑) 平井:不穏みたいなね。 森先生:うーん、それは映画の世界だよね。(笑) 平井:映画ですよね。何やっても許容されるからね。 渡部くん:男子校と女子校は、なんか平和っていうか。 平井:自由だよね。 森先生:自由だね。 平井:それで、彼女はほしいですか? 五十嵐くん:ほしいです。(笑) 平井:いますか? 五十嵐くん:いません。 平井:クラスとか学年のなかで、彼女がいる生徒の割合はどれくらいですか? 五十嵐くん:たぶん100%いません。 渡部くん:天文学的数字です。(笑) 平井:限りなく低い。(笑) 渡部くん:限りなく低い。 森先生:1%もいないってことは、学年に2人もいないっていうこと? 平井:高校に入ると、塾でどんどん増えていく。 渡部くん:中学はまだ塾に入っている人がいないので、そういう機会がない。 森先生:文化祭のとき、高校生で女の子連れて歩いている生徒もチラホラいるよね。 渡部くん:あー、そうですね。
平井:すごいなーと思う友だちはいますか。 渡部くん:五十嵐くん。いやー、五十嵐くんは頭いいっすよ。(笑) 五十嵐くん:僕は、英検準一級を中3で取った友だちがすごいと思う。 平井:あの人良い意味でやばいとか、なんか変人だけど、一目置ける人はいる? 渡部くん:いますね。英数クラスは、だいたいそんな人ばかり。 五十嵐くん:そんなこと、ないでしょ。(笑) 平井:英数クラスの五十嵐くんは、反論ありますか? 五十嵐くん:そんなことないです。(笑) みんな、個性はあるけど面白い。 【※編集部注釈:英数クラスは、中学3年と高校1年にだけ設置される英語と数学の成績による選抜クラス。ただし教材・進度・定期試験問題は他クラスと同じです。】
平井:学校の中に、お気に入りスポットはある? 五十嵐くん:中3のフロアは5階なので、見晴らしがすごくいいんです。毎朝、5階の窓から富士山を見るんですけど、そこが大好きです。 平井:富士山が見えるの? 五十嵐くん:結構、見えます。 平井:すごいね。高校校舎からはみなとみらいも見えるよね。あとは、打越の丘の銅像(浅野總一郎翁像)の下は日向ぼっこに最高だったね。 渡部くん:あそこは、春になると。 五十嵐くん:桜がすごい。 平井:桜がすごいよね。 渡部くん:銅像と桜と奥にみなとみらいが見える。 森先生:ふーん。知らなかった。(笑) 平井:じゃあ、お気に入りスポットは、中学棟5階フロアの窓から見える富士山と打越の丘の銅像(浅野總一郎翁像)の下でいいよね。【※編集部注釈:浅野總一郎翁像とは、浅野学園創立者の実業家浅野總一郎氏(1848-1930)を記念した銅像。浅野氏は京浜工業地帯の形成に寄与した。】
平井:将来の夢は、ズバリありますか? 五十嵐くん:僕はあります。 渡部くん:僕はまだ決まっていないかな。 五十嵐くん:僕は、医者になりたいです。 平井:医学部に行くの? 五十嵐くん:行きたいです。 渡部くん:僕は、医者じゃないな。(笑) 平井:渡部くんは、どういう夢? 渡部くん:そんなに大きい夢を持ったことはないです。僕は、鉄道が好きなので鉄道会社みたいなところに入って働ければいいかなぐらいの夢です。あとは、たまにゲームや音楽を作ってみたいとも思いますけど。
平井:さて、将来の夢を踏まえて、入りたい大学は決まっている? 五十嵐くん:決まってないです。 渡部くん:決まっていません。 平井:文系、理系は、なんとなく決めている? 五十嵐くん:僕が得意なのは文系って感じなんですけど、夢としては理系です。 平井:そっか、医学部だから理系だよね。 編集部:なんで医者になりたいと思ったのですか? 五十嵐くん:きっかけは、僕は割と肌が弱いので、今はもうだいぶ治ったんですけど、小っちゃい頃によく病院に行っていたんです。その頃から医者に興味があってそのまんま今に至る。
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