取材日:2016年8月26日 インタビュイー:社会科 内山仰太郎先生 インタビュアー:学習院女子大学1年 宇南山さん
宇南山: どんな教材を使って授業をしていますか?
内山先生:教材は基本的に教科書。特別なものは使ってないよね。あとほら・・・ 宇南山:地図! 内山先生:黒板に貼って書き込める地図。アレはしょっちゅう使ってるよね。あとは、自作の手描きプリント。手書きだよ(笑)。手描きのプリントとか切り貼りのプリント。倫理は新書とか、教科書以外のテキストを使ってやってますね。
宇南山:選抜、レベル別制度はありますか?
内山先生:レベル別制度があるのは、数学や英語。日本史もやってる。世界史はレベル別ではなく、東洋と西洋、近代史と現代史のようにテーマ別で分けていますよね。
宇南山:留学制度について教えて下さい。
内山先生:留学制度について俺が答えるの?詳しくは分かんないけど、いろんな留学制度があるよ!オーストラリアでの学期研修、夏休みのオーストラリア研修、春休みのアメリカ研修。あとは外部団体との年間留学、カンボジア研修。 【編集部注釈 オーストラリア学期研修:1月~3月をオーストラリアでホームステイし、現地の学校に通学するプログラム。対象は高校一年と二年。 オーストラリア短期研修:夏休みに3週間メルボルンの姉妹校ストラスコナ校に通う学校体験プログラム。 アメリカ短期研修:春休みの10日間、オレゴン州ラファイエットコミュニティー教会を拠点としてクリスチャンホームにホームステイをする。】 内山先生:カンボジア研修のことだったらいくらでも語れるけど・・・ 宇南山:カンボジアは1週間? 内山先生:そうだね。 宇南山:カンボジアは他の学校にはなさそうなのですが、どれくらいの生徒が参加するのですか? 内山先生:毎年のスタディーツアーで20〜30人だよね。高校生だけでカンボジアに行く。現地での基本的なプログラムは、本校の生徒が寄付金を集めて校舎を寄贈した小学校への訪問と交流だよね。 もう12~13年前かな。2年かけて文化祭の模擬店で500万円の募金を集めて、NGOを通してカンボジアに寄贈するっていう運動をやって。宇南山はカンボジア研修に行ってないんだよね?
宇南山:行ってないです。 内山先生:行けばいいのに。 宇南山:。(笑) 内山先生:卒業生も連れてくよ!行きたければっていう感じですね。そんなカンボジアへのスタディーツアーを、社会科中心で春休みにやっています。
宇南山:キャリア教育はいつごろからどんな教育をしていますか?
内山先生:あんまやってないよな。(笑) 宇南山:やってないんですか。(笑) 内山先生:どう?キャリア教育を受けたっていう感じはする? 宇南山:中三のときの・・・ 内山先生:中学三年生で総合の授業をやって、高校一年生のときに適性検査を受けて。そういう意味では中三の総合の授業っていうのがキャリア教育のスタートなのかな。その頃から進路の意識付けみたいのはやってるよね。 【※編集部注釈 総合の授業:仕事について学ぶ授業。中学三年は週に一度受講する。】 宇南山:高二で文系と理系に分かれて・・・ 内山先生:そうそう。だからキャリア教育をやってないことはないけど、いわゆる”ザッツキャリア教育“のようなことではないけれど・・・ちゃんとやってますよ! 宇南山:他の学校では高校二年でも、文系理系関係なく数ⅡBまでやったりするじゃないですか。捜真は高二で文系と理系に分かれるから、それをやらなくていいのは・・・ 内山先生:やらなくていいのはプラスなのかね。 宇南山:自分の選択に集中できると考えれば・・・ 内山先生:まあ、そうだね。(笑)文理選択は大体高校一年で決まるね。逆に生徒から見て、例えば宇南山は「捜真の進路指導こういうとこがよかったよ」っていうのってあった?適性検査がどうのこうのとかよりも、例えば担任との面談だとか。 宇南山:さっき生徒にインタビューをしていて感じたのは、先生がちゃんと話を聞いてくれるっていうことですね。「へーそうなんだ」だけで終わるのではなく、それについて調べてくださることもあるので、突き放されることがなかったから。 内山先生:調べるのは基本的に自分たちでやらせるよね。それよりもむしろ心構え、心の持ちようだとかカウンセリングに近いよね、うちの面談は。データを見せてどうこう言うよりも「頑張れ!」とか「ここで諦めんな!」とか、そういう面の方が強いよね。 宇南山:そういう面が一番、捜真生は弱いから大事。 内山先生:そういうペースメーカーだよね。俺の生徒指導は気合しかない。(笑) 宇南山:そう、受験は気合でやったって感じ。 内山先生:ある程度は生徒のやりたいことは見えるわけで、データじゃないよね。もちろんデータも大事だけど、生徒たちがどういう気持ちでいて、どういうところが不安なのかを引き出せるか。そこで「ダメだ」とか「いい」とかを言ってもらえるかっていうことじゃないかな。メンタルの部分でね。 宇南山:うん、メンタル。 内山先生:だから特に意識しているかどうかは別として、うちの先生は「よく頑張ったね!」とか「一緒に乗り切りましょう!」みたいなタイプが多いよね。持ってるカラーは違うけれども、内山カラーと菅原カラーと。君たちは佐野カラーか。 宇南山:うん。 内山先生:カラーは違うけど、そこは我々も共通認識を持っていると思います。大学を受験するのは本人だしな!「ここ受けるな」って言ったって、受験するわけだし・・・ 宇南山:確かに受ける! 内山先生:だから、迷ってるときにどっちを選ぶかとかの基本的な考え方は言ってあげられる。そんな感じなのかな、進路指導。だから、具体的な職業とか偏差値とかのデータ主義じゃないよね。 宇南山:うん、精神面とか・・・ 内山先生:カウンセリングに近いようなことが多いよな。
宇南山:受けている学部や学科に特徴はありますか? 内山先生:文系が多いよね。大体理系は3分の1弱、文系では社会学系が多いかな。理系であっても理工学だとか純粋な理系は少なくて、栄養学だとか食物関係、生物資源的なことだとか、薬学、看護だとか、そういう準理系的な学部が多いよね。女子校というのもあるし、うちは伝統的にそうだよね。理系に力を入れていないわけではではなくて、傾向として。あ とは、キリスト教系の大学が多いよね。(笑)
宇南山:なんか、キリスト教系の大学を選びたくなっちゃう! 内山先生:明治と立教だったら立教を選ぶ。早稲田と慶応で並んだときは慶応を選ぶ。別にミッションスクールじゃないけど、そういう傾向はあるよね。 宇南山:そうですね。 内山先生:上位の生徒は上智、青山、立教っていうパターンで受けるケースが多い。そのラインだよね。 宇南山:あと、日東駒専受をけるんだったら、女子大を受ける人が多い。 内山先生:「日東駒専受けるんだったら、東京女子大学、日本女子大学がいいです」みたいなね。ミッションスクール思考が強いのは学校の雰囲気なのかな。 宇南山:「女子大もうヤダよー」とか言ってても結局女子大を選択してたり、キリスト教系を選んでたり。「気付いたらキリスト教系ばっかり受けてるー」みたいなのはありますよね。 内山先生:そうだな。そういえば、日大の文系ってほとんどいないね。理系の生物資源ばっかり、日大行くのは理系の子ばっかりだよね。理系はキリスト系とか関係なしだな。
宇南山:塾に通っている生徒はどのくらいですか? 内山先生:高校一年生では2割、二年生では5〜6割、三年生になると8割以上っていう感じじゃない?感触としては。 宇南山:塾に通うことについて、先生はどう思われますか? 内山先生:別にいいんじゃない?うちの学校はどちらかというと内向きの生徒が多いから、予備校に通うことで対外視野みたいなのも広がるし、学校の中だけでいると受験の雰囲気だとかは分からないしね。部活やってるとよく分かるけど、外に出ていろんな学校と試合をするとか外の大会で勝っていくということで、逆に学校の良さを再発見できるということもあるしね。 予備校に通うことで学校がいいと感じる生徒もいるし、別に予備校を辞めるわけじゃなくて、学校の授業の大切さだとかを感じながら、補い合う関係だよね。だから学校の授業を捨てて塾の勉強っていうのはありえないし、そういうことを予備校で感じられる生徒は伸びるんじゃないかな。「むしろ予備校に行ったほうがいいんじゃない?」って。(笑)ただし、なんでもかんでも予備校に100%ってすると、バーストするけどね。
宇南山:日本史とかいらないと思いますけど・・・ 内山先生:そうそう、必要なことだけやればいいと思ってますね。「社会科は学校で面倒見るよ」とか、ある程度はね。学校でも夏期講習や直前講座なんかもやってるしね。 宇南山:塾との連携、外部講座など、模試の頻度を教えて下さい。塾との連携ってしてるんですか? 内山先生:ベネッセと河合塾とは連携してるよね。あとは、AO入試に関して早稲田塾と連携した説明会をやったりとか。宇南山のとき模試は何回やった? 宇南山:高三は結構やりました。駿台とベネッセと河合塾があったから。 内山先生:3~4回か。高校一年生で3回やる、高校二年生でも3回やる、高校三年生では4回かな。模試の結果は進路指導や面接でも使ってます。ザックリとだけどね。「○○大学行けるよ!」みたいに気合で言ってるように思ってるかもしれないけど、根拠がないわけじゃないんですよ。 宇南山:一応ちゃんと、結果も見た上で・・・ 内山先生:一応っていうか、ちゃんと分析した上でな!宇南山も3年間は見てるわけだから、この生徒はこれくらいの力があって、過去の生徒たちとの比較で「答案にこういう答えを書く子は、これくらいのところに行くだろう」っていうのは分かる。宇南山に「GMARCH行けるよ!」って言ったのも、別に根拠がないわけじゃないからね。だから、予備校の資料もちゃんと活用して ます!
宇南山:学校説明会ではどのようなことをしますか? 内山先生:ひとつは入試問題。「過去問のポイントはこんなとこですよ」みたいな説明ですよね。あとは学校の指導方針。「愛です!愛の学校てす!」っていう説明だよね。よく言うと思わない?「愛の学校です!」って何の恥じらいもなく。(笑) 宇南山:(笑) 内山先生:「愛」っていう言葉をよく使うよね、うちの学校は。こんなに「愛、愛」って恥ずかしげもなく使う学校って、そうはないよ。これは、中学校一年のときには「愛って何だろう?」って思ってたのが、高三で卒業するときに「愛ってこういうことだったんだ!」って分かる学校だってこと。そういうふうに卒業生が言ってくれる学校だってことは伝えてる。 宇南山:みんなそう思ってる! 内山先生:「捜真でよかった」ってね。だから、顧客満足度は高いんじゃないですかね。(笑) 宇南山:はい、そう思います。 内山先生:だから、あとは選んでくれるかどうかだよね。 宇南山:中学入試のときの宣伝が下手すぎて・・・みたいな話を、さっき在校生インタビューで話してました。(笑) 内山先生:でも、入ると「いい学校だよね」っていう話になるよね。「この学校が大好き」みたいなことを何の恥じらいもなく。他の学校では、そんなに「学校が好きです」って言う生徒はいないよ。 宇南山:大学では周りがそういうこと言わないから、言いづらくなって・・・ 内山先生:大学でも言わないでしょ?母校のこと大好きって言って「母校に遊びに行く」とか言うと、周りは「なんで?」ってなるでしょ? 宇南山:うん。 内山先生:俺もこの学校に就職したときにビックリしたもん。なんなんだろうって。(笑)自分の卒業した学校に対しては多少あるけど、君らが持つような「母校大好き」みたいのはないもんね。 20年以上捜真に勤めてるけど、捜真の一番の売りはそれなんだなって思う。進学実績よりも、そこなんだなって。「この学校に行ってよかった」って思える、「自分の生きる場所だった」みたいな。「人生だった」みたいな。そういうふうに思ってもらえる学校。 学校説明会でも、そういうことを伝える。バランスよく、学校らしい学校。受験どうこうで東大入れますとかじゃなくて、“学校っぽいこと”は何でもできると。いろんな生徒がいて生きられる場所だと思う。あとは、部活もできるしね。 宇南山:捜真は部活が盛んですよね。 内山先生:盛んというよりは、普通にちゃんと部活をやっているという感じ。ソフトボールはもうちょっと頑張らないとだけど。(笑) 【※編集部注釈 内山先生はソフトボール部の顧問】 宇南山:ソフト部は強いって中学生が言ってましたよ。 内山先生: この前の県民大会準優勝だよ!もう飾るところがないくらいトロフィーとかもらってるからね。だから、楽しく学校生活も送れるし、勉強もしっかりやらせますよ、というふうにね。あと、説明会の体験クラブとかね。 宇南山:体験クラブがめっちゃよかった、私は。 内山先生:説明会では、体験クラブや体験授業もやってます。他にも、生徒自身が学校を案内する「ボランティアスチューデント」とか、保護者が学校を説明してくれる「保護者座談会」とか。 宇南山:説明会にいっぱい来てくれれば、受験生も増えそうじゃないですか? 内山先生: そうなんだけど、親御さんと話してみると、中学受験で一番目がいくのは進学実績なんだよね。そこが難しいところだよね。「偏差値だけでは計れないものはありますよ」というのは伝えたいし。 宇南山:卒業してから聞きましたけど、私のお母さん「キリストの学校に入れたかった」って言ってました。自分はキリスト教徒じゃないのに。 内山先生:それもあるかもね。捜真はキリスト教教育もしっかりやっていますから、宗教色が強いよね。それは悪いことでもないしね。 宇南山:はい、めっちゃいいです! 内山先生:卒業生が礼拝を聞きに来る学校だからね。 宇南山:説明会でよく聞かれる質問はなんですか? 内山先生:勉強のことだね。。「補習はありますか?」とか。システム、カリキュラム、進学実績とか。あとは、入試問題に関する質問が多いね。説明会での関心はそのあたりが強いのかなと思いますけど、捜真の良さは入学してから分かるよね。 宇南山:うん。 内山先生:みんな学校がめっちゃ楽しいって言ってるもんな。 宇南山:めっちゃ楽しかった! 宇南山:説明会では、学校のどこを見てもらいたいですか? 内山先生:生徒だよね、やっぱり。 宇南山:だから、ボランティアスチューデントはいいと思います! 内山先生:生徒が実際に自分たちの学校を好きだと思っているところを見てほしいよね。生徒は夏休みでも早く学校に来たがってるもんね。「早く休み明けないかな?」みたいなね。だから、夏休みでもよく生徒が来てる。部活の生徒だけじゃなくて、特に用もないのにね。(笑)生徒にとっては“通いたい場所”だし“生きる場所”だから、そこを見てもらいたいかな。学校 が生徒たちの居場所になってる様子を見てもらいたいですね。
宇南山:文化祭の特徴は何ですか?先生の好きな出し物は? 内山先生:俺の好きな出し物は、ソフト部のやつとか、高三の仮装のパレードがね、圧倒的にいいし。文化祭はもう、さっき一番見てほしいところって言ったことだけど、生徒が楽しんでいる、一生懸命作っている“活気”が好きだね。他にも同窓会とかPTAが一体になって・・・ 宇南山:父親たちも・・・ 【※編集部注釈:捜真父親の会。文化祭の「愛の焼き鳥」を主イベントの一つとしている】 内山先生:そうそう、父親も一体になってね。学校を舞台に楽しんでるというか、祭りを作ってるというところですかね。 宇南山:来客数はどれくらいですか? 内山先生:来客数は大体7千〜8千人だね。女子校にしては、まあまあの規模だよね。
宇南山:体育祭は? 内山先生:体育祭も、新しく縦割りの四クラス対抗でやるようになって。手作りのいい体育祭になってきたんじゃないかな。 宇南山:応援団! 内山先生:うん、応援団もあるしね。
宇南山:課外授業、課外学習の特徴を教えて下さい。 内山先生:課外学習は、茶道、ピアノ、声楽、書道とかね。あとは授業の他に補習もあるね。補習は夏休みとかの休みにプログラムとしてやってるだけじゃなくて、生徒からの個人交渉でも個別にやってるよね。 宇南山:お願いしたら先生方もやってくれるからね。 宇南山:かなりやってくれると思いますよ、各科目の先生たちが熱心に。結構キメ細かく面倒見るんじゃないですかね。俺はあんまり細かくない。(笑)
宇南山:入試について、面接はありますか? 内山先生:ある! 宇南山:どのようなところを見ているのですか?面接って意味あるんですか? 内山先生:あるよ。(笑)面接で不合格ということは基本的にないけど「どういう子かな?」っていうのを見るよね。一番見ているのは、自分の言葉ではっきりしっかり答えられるかどうかだよね。自己表現してるかどうか。答えが合っているかどうかではなくて、一生懸命答えようとしているかどうか。面接は別に正解があるわけじゃないから。 宇南山:質問が変ですもんね。(笑) 内山先生:そう?(笑) 宇南山:私のときには「誕生日に家で何をしますか?」って聞かれて。「お姉ちゃんがピアノ弾いて、ケーキ食べて・・・」とか答えてたんですけど、内心「なんだこの質問は!」みたいに思いました。 内山先生:知識を問うっていうよりも、子どもなりに自分で質問を受け止めて答えようとしてるかっていうところを見てる。困ったときのしぐさだとか、一生懸命答えようとしているところを見てる。 宇南山:保護者の方に対しては、どのようなところを見ていますか? 内山先生:同じ。誠実さみたいなところですね。 宇南山:重視する科目はありますか? 内山先生:配点が高いのは国数だよね。 宇南山:社会はないんですか? 内山先生:2科(国・算)4科(国・算・社・理)選択だから、社会は4科選択の場合のみですね。 宇南山:対策を教えて下さい。 内山先生:説明会に来てください。(笑)やっぱり基本です、基本。 宇南山:小学校の授業を受けてたら平気って本当ですか? 内山先生:基本的にはそう、S試験は特にそうですね。A試験でも社会科は特に「小学校で何を学んできたか」ということを重視する。あとは、小学生なりに世の中の動きだとか、ニュースに関心を持ってほしいかな。 宇南山:時事問題。 内山先生:そう。あと小学校には世界地理がないんだけれど、どこにどの国があるくらいのことは分かっててほしいかな。
宇南山:どのような中学校を併願している受験生が多いですか? 内山先生:神奈川学園。 宇南山:私、神奈川学園と捜真しか受けてない。 内山先生:他には、清泉、鎌倉女学院、香蘭女学校かな。ただ、S試験が始まって、捜真だけという受験生も増えたね! 宇南山:とりあえずS試験、A試験、B試験の3回受験しようとして、S試験で受かったからもう終わりにしたっていう子もいました。 内山先生:だから、捜真一本っていう受験生も多くなったね。 宇南山:どのような生徒に来てほしいと思って入試問題を作成していますか? 内山先生:自分の考えをはっきり表現できる生徒。小学生としての持っててほしい基本的な知識を備えている生徒。あとは素直さ、しなやかさを持っている生徒に来てほしいかな。 宇南山:来年はどんな問題にしようと考えていますか? 内山先生:変わらないですね!
宇南山:授業の予習、復習はありますか? 内山先生:基本的にあるよね。 宇南山:先生は授業の準備にどのようなことをしていますか? 内山先生: プリント作ったり、教材研究をするよね。俺の場合は授業が講義形式なので、基本的にはノートを作るってことですよね。だから一度やった授業でも、再度確認してもう一回作り直しみたいなことをするよね。結局、作ってみると同じことになっちゃうんだけどさ。(笑)そういう過程を何度も繰り返します。 宇南山:授業で心がけていることは何ですか? 内山先生:「分かった感」と「なるほど感」だな。 宇南山:「分かった?」ってよく言ってましたね。(笑) 内山先生:「へーそうなんだ!」という感覚を、授業の中で何回持たせられるかだよね。あとは「今日の授業ではこれをやった!」というのがはっきり分かるというのが、一番重視するところですかね。「へー、なるほど!」を積み上げていってくれたらいいよね。学習っていうのは、それの積み重ねだと思います。 宇南山:先生の考える「理想の授業」とはどんな授業ですか? 内山先生:やれたことがない。(笑)難しいですね、理想の授業って。「愛」の溢れる授業ですかね。(笑)「一緒にやったね!」っていうふうに、生徒とね。 宇南山:先生が喋ってるだけじゃなく・・・ 内山先生:そうそう。「学び合えたね!」っていう感覚ですかね。
宇南山:授業以外での生徒との関わり方を教えてください。どのようなことを心がけていますか? 内山先生:自然・普通。そんな感じだよね? 宇南山:うん、あんまり先生っていう感じがない。 内山先生:あるでしょ。(笑)あと、君らの3年間でいうと掃除だよね。生徒が帰った後に教室整備をするっていうのをずっとやってるんですけど、それは俺にとってはコミュニケーションなんですよ。教室の机がきれいに並んでいる、黒板がきれいである、そこに朝生徒たちが来る。それに気付くかどうかは別として「こうやって整えられた場所に、自分たちが朝来ているんだ」というメッセージですよね。生徒は、そういうふうに面倒見てもらってるんだというのを感じるんだよね。だから、目に見えないところを意識してたよね。
掃除で何が変わるんだろうって思うかもしれないけど、変わるんだよね、確実に。そう信じて毎日掃除をやってるし、実際にそれは生徒たちから返ってきてますしね。そういう意味で、直接のコミュニケーションだけじゃなくて、生徒が帰った後の掃除もある種のコミュニケーション・・・ですね。なんか深いこと言ったな、俺。(笑)
宇南山:なぜこの学校の先生になったのですか? 内山先生:たまたまです。(笑) 宇南山:さっきも在校生インタビューで話してたんですけど、捜真は先生のキャラが濃すぎて・・・「何を集めたらこんなに集まるの?」って話してました。 内山先生:キャラ濃いんだ!俺なんか薄い方でしょ? 宇南山:濃いよー。 内山先生:学校の先生って未来を創るというか、そういう職業じゃないですか。それは先生の魅力だよね。生徒の人格形成というか、最も重要な時期を一緒に過ごさせてもらえる職業。「いいな、青春してるな!」とか思うもんね。そこに一緒にいさせてもらえるっていうのが、教員の一番の魅力じゃないですかね。だからこそ教員になったんだと思います。別に女子校に行き たいとも思ってないし、キリスト教の学校に行きたいと思ってたわけでもないけど、結果としては与えられた道は最善であったよね。俺、またいいこと言ったな。(笑)
宇南山:好きな本、影響を受けた本はありますか? 内山先生:探偵小説ばっかり読んでる。「なんとか殺人事件」とかさ。 宇南山:読んでそう。(笑) 内山先生:高校のときに現代文の授業で無理やり読まされた、三木清という哲学者の「人生論ノート」には大きな影響を受けました。あとは、聖書ですね。 宇南山:うん、聖書はね。(笑)
宇南山:趣味、特技はありますか? 内山先生:ない! 宇南山:特技は・・・ 内山先生:特技ない! 宇南山:趣味は・・・ 内山先生:趣味はあるか。 宇南山:Tシャツ集め? 内山先生: Tシャツ集め。ライブTね! 宇南山:ライブT。(笑) 内山先生:あとは、音楽を聴く、映画を観る、ソフトボールかな。こうしてみると、結構多趣味だよね。(笑)
宇南山:生徒の特徴はありますか? 内山先生:生き生きしてますよ! 宇南山:外からはお嬢様だと思われてるから・・・ 内山先生:お嬢様なとことろもあるけど。 宇南山:ありますか? 内山先生:あるある。私学のお嬢様っていうふうに思ってる人もいるよ。ただ、いわゆる世の中がイメージする“ミッションスクールのお嬢様”っていうのとはちょっと違うかもね。大口開けて、手叩きながら笑ってるもんね! 宇南山:そうですね。どんな生徒が多いですか? 内山先生:そんな生徒。大口開けて、手叩いて笑ってる生徒。(笑) 宇南山:生徒たちの、もっとこうしたらいいのにと思う点はありますか? 内山先生:もう少し一生懸命勉強させることかな。俺個人としては、部活動で「神奈川県で優勝するぞ!」みたいな高い目標を作ることかな。
宇南山:先生自身の目標、すごいと思う先生はいらっしゃいますか? 内山先生:たくさんいるけど、俺が就職したばっかりの頃に同じ学年で組んだ学年主任の先生ですね。年配の女性の英語の先生で、定年になるまでの最後の5年間が一緒だったんだけど、その先生にはいっぱい影響を受けたね。 宇南山:どんな先生でした? 内山先生:生徒にも仕事にも厳しい先生。厳しいけど絶対に生徒を見捨てない、最後まで付き合う先生でした。その先生と組んだことが、俺の教師としての初期設定。俺にとっては大きかったんじゃないかな。他にもいろいろと影響を受けた先生はいるけれども、その先生の生徒に接するときの考え方とか、全てが俺の常識とは外れてたの。だけど、大変影響を受けた先生ですね。
宇南山:やりがい、大変なときはありますか? 内山先生:毎日大変!だからこそ、やりがいもあるんじゃないかな。 宇南山:入校してから大きく変わったことはありますか? 生徒はどうですか? 内山先生:生徒はね、あんまり変わってない気がするぜ?「捜真生は捜真生」って感じがする。俺がここに来たばかりの頃の子たち・・・もう40歳くらいのおばちゃんだけど、卒業生として言ってることが君たちと変わらない。制服がどうこうとか「捜真、超よかったよね!」とか。そういう話を40歳になってもしてるのは、それはすごいなって思う。そういう意味では、生徒たちは変わってないですね。 宇南山:みんな同じなんですね。 内山先生:40歳のおばちゃんと、20歳になったばかりの卒業生がどっかでたまたま出会って、例えばサウナで「女子校出身なんですよ」なんて話になって・・・「え、どこ?」、「捜真?」「え、マジでー!」みたいな感じにね。 宇南山:あー、絶対なる。 内山先生:なるでしょう!こう大口開けて、手叩いて笑ってんだよ。(笑) 宇南山:絶対なる、ヤバい! 内山先生:そこが恐ろしいよね。あとは、お母さんが捜真出身の生徒も結構いるじゃん。 宇南山:はい。 内山先生:その生徒のお母さんを見ると「あ、捜真生ね!」って感じがするわけ。今ちょうど、教え子が保護者になり始めた頃なんだけど「やっぱり変わらないんだな」って思うよ。 宇南山:自分の娘を捜真に入れたいって思える・・・ 内山先生:そこが捜真の強みじゃないですかね。「卒業生が自分の娘を入れたいと思える学校」っていうのは、大きなことだと思うよ。 宇南山:職場環境、学校に対する不満はありますか? 内山先生:ない!何もない。(笑) 宇南山:学校で取り組んでいる課題はありますか? 内山先生:たくさんの人に捜真を知ってもらう!捜真の良さって、世間じゃ知られてないじゃん! 宇南山:先生の一日のスケジュールと平均の就業時間を教えて下さい。 内山先生:今はね、ほとんど仕事だよ。大体朝7時半に部活動の朝練を見に来て、夕方は6時まで部活動をやって、そのあと残務処理。学校を出るのは夜の8時くらいになるのが多いかな。週末は部活練習か試合。そんな感じだな。
宇南山:いじめはありますか?いじめへの対策はどうしていますか? 内山先生:全然ないとは言わない。ただ、少ないと思う。 宇南山:うん、少ない。 内山先生:もちろん、いじめ対策本部とかはあるんだけど、本当に深刻っていうのは・・・ 宇南山:全然感じなかったですね。 内山先生:いじめが起こりづらい環境だよね。中学生なんかは個々のグループの中で・・・というのあるけれど、それも高校生になるとだんだん変わってくるからね。ないね、そういう意味ではね。 宇南山:LINEなどでのいじめが発覚した際の対処は? 内山先生:生活指導委員会を中心に対処しますね。LINEでのいじめがなくはないんだけど、当該の生徒や場合によっては保護者の方への指導はちゃんとします。 宇南山:SNS関連のいじめは多いですか? 内山先生:生活指導の内容として、昔とは変わってきたってことだよね。酒、タバコとかではなく、そういうのに変わってきたよね。でも、それがすごい多いかというと、うちはそうじゃない。見逃しているわけではなくね。
宇南山:先生にも特徴がありますか? 内山先生:あるんじゃない? 宇南山:ありまくりですね! 内山先生:粒が立ってるよね。 宇南山:濃い! 内山先生:うん、そういうふうに言っとけ。その中で、俺は超普通! 宇南山:あー、質問終わっちゃった。
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