取材日:2016年10月19日 インタビュイー:理科(化学)バトン部顧問 水嶋瞳先生 インタビュアー:教育図鑑編集部 田口亮太
編集部:お名前をまず、教えてください。
水嶋先生: 水嶋瞳と申します。
編集部:生徒からなんて呼ばれてますか?
編集部:普通に呼ばれる時は、水嶋先生って呼ばれていますけど、陰では「みずしー」って呼ばれてるみたいで。
編集部:ははは。
水嶋先生:教室に内線電話があるのですが、電話を取り次いでほしいときに「みずしーから電話だよ」っていうのは、よく聞きますね。
編集部:聞こえちゃってるんですね。
水嶋先生:はい(笑)。
編集部:担当教科は何ですか?
水嶋先生:担当は理科で、専門は化学ですね。
編集部:はい、担当している学年は?
水嶋先生:今は、中学3年生が先取りで高校の化学をやっているんでそれを教えているのと、あとは高校1年生の化学と、高校3年生の化学センター演習ですね。
編集部:教員歴はどれくらいですか?
水嶋先生:えっと、ちょうど10年ですね。
編集部:はい、ありがとうございます。
編集部:まず、授業でどんな教材と使っていますか? 水嶋先生:私が使っているものは、数研出版からの「化学基礎」と「化学」という教科書を使っていて、問題集は、中学校は薄い問題集「ネオパル化学」というものと、高校になると「ニューグローバル」という問題集があるので、そちらを使っています。高校3年生になるとセンターとか分かれてくるので、河合塾とか駿台の演習テキストと、問題集を使っていますね。
編集部:実験はどれくらいの頻度でやっていますか? 水嶋先生:実験は、その学年にもよるんですけど、前期のうちに3、4回高校生だったらできればいいなって思うのと、中学生だったらその倍ぐらいはやるかな、と思います。編集部:へ~。 水嶋先生:結構、演じて見せたりとかすることも多いので。みんなでしっかりとした実験っていうのは10回あるかなってところなんですけど。気体を発生させようって程度でしたらよくやっているので、3週間に1回くらいはやりますね。 編集部:実際に書いてあることを体感させるとか、そんな感じ? 水嶋先生:そういうのもありますね。色がちょっと変化するだけでも、見ていたら面白いとか。 編集部:僕が中学生の頃は、化学とか無くて理科だったんですよね。 水嶋先生:理科ですよね。 編集部:じゃあ、生物とかも別であるってことですか? 水嶋先生:生物はもっとなんか、イカの解剖をしていたり、結構面白いことやっていて。
編集部:選抜、レベル別の制度ってありますか? 水嶋先生:中学校では、まず1年生、2年生、3年生の時に、数学と英語は2つのクラスに分かれて、習熟度別にしてやっていて、クラスのほうは3年生になる時に、初めて1クラスだけ選抜のクラスができます。その後高校で、同じように選抜と標準に分かれます。高校2年生になると、国公立を目指すクラスと、私立という風に文系理系に分かれていくので、結構細かいですね。
編集部:留学制度はありますか? 水嶋先生:高校から留学があります。まず、高校は普通科と、英語科で分かれています。普通科に行くと、基本的には夏休みの短期留学、オーストラリアに希望制で行けて、英語科に行くと、ニュージーランドやアメリカ、イギリスなどで期間が決まっていて、そこお金もかかっちゃうんですけど、自分たちで好きなところを選んで、最長で1年行っています。 編集部:行くか行かないか・・・全員行くんですか? 水嶋先生:英語科は必ず全員行くってことで。 編集部:普通科は希望制ですね。はい、ありがとうございます。
編集部:英語教育で力を入れていること、特にこういうことやっていますっていうことがあれば。 水嶋先生:今年までは中学3年生の時に、福島県の「ブリティッシュヒルズ」という、国内で留学体験ができる施設に希望制で実施していたんですが、今年の中学2年生から、たくさんのネイティブの先生に学校まで来ていただいて、アクティブラーニングのようなゲーム形式で勉強したり、あとは少人数制でクラスを分けて英会話を楽しんだりとか、プログラムを3日間集中講座でやったりしていますね。 編集部:生徒からの反響はどうでしたか? 水嶋先生:すごく楽しかったみたいで、結構外国人の先生と絡むのが好きみたいなので、結構伝わるのが面白い、みたいな。 編集部:なるほど。 水嶋先生:頑張って話しています。はい。 編集部:普段の英会話の先生ってネイティブの先生ですか? 編集部:そうですね。英会話は週に1回あるんですけど、クラスを半々に分けて、隔週で日本人の先生と外国人の先生で、交代でやっていく感じですね。
編集部:キャリア教育の取り組みは、どんなことをしていますか? 水嶋先生:中高一貫教育なので、あとは進路指導も中学生からずっとやっていて、こういう職業や大学があるよとか、大学の新聞を作って調べ学習してみたり、入試のシステムの紹介などはしています。全体からすると、キャリア教育は高校生のほうが多いです。たとえば今職業体験インターンのようなことを情報の授業でやっていたりするんですけど、例えば森永乳業さんとか、旭化成さんとか、JALさんとか、そういった企業の方にちょっとお願いをして、プレゼンテーションの練習とか、あと実際会社に行くことはできないので、いわゆるちょっとした(職業)体験みたいなのを学校でやってみたりしています。 編集部:インタビューを受けてくれた生徒2人が、大学進学とかでなくて、結構やりたい事とか考えていたので、キャリア教育も重視されているのかなって。 水嶋先生:そうですね、自分の進路なので、周りから言われて決めるのではなくて、自分が一番興味のあるものは何ですかということをやっぱり大事にしてもらいたいです。高3で進路指導する時も、本当に勉強したいものがないと大学で勉強するのは大変だと話します。 編集部:大学受験で受けている学部とか学科に特徴ってありますか? 水嶋先生:うちの学校はそういったところはさまざまです。理系だったら上は東大から始まって、ランクもさまざまです。理系だったら医学部、農学系、それから生命科学系もそうですし、工学系もいますし、あと文系あたりは国際系がすごく多いですね、英語科もあるので。 編集部:国際教養学部とか。 水嶋先生:そうですね、あとは法学、経済とかですかね。あと理系は薬学系とか、看護、医療系は人気です。そこは毎年必ずいます。 編集部:なるほど。なんか最近女子校から薬学部行く人って結構多いなって思います。 水嶋先生:多いですね(笑)。 編集部:(笑)あれなんでなんですかね。 水嶋先生:調剤薬局とか、そういったところだと勤務時間のシフトが組みやすいのでしょうか。女性が働きやすい環境だったりするようで、親御さんは結構勧めたりするみたいですね。編集部:そういうことですよね。それを中学生とかで知ってること自体すごいですけどね、そこまで考えてることが。
編集部:これちょっと、答えづらいかもしれないですけど、大学に行くとどういうふうに良い事がありますか、勉強するって何ですかって言われたら、なんて答えますか? 水嶋先生:ん~、将来に直結するものに関しては、やっぱり行かないとしょうがないっていうのもあります。その他の分野だと、経営学を学んで全員が会社経営をするわけでもないし、法学を学んで全員が弁護士になるわけでもないので、やっぱり大きく捉えて、世間を知るってことですかね。なんだかんだ言って今は大人に守られている状態なので、正直なところ、世の中にぽんって出たときに、知らない世界を知るって意味では、興味のある分野をめいっぱい追っかけてみたらどうかなという感じですね。高校では見られないようなゼミナールがいっぱい大学にはあるので。
編集部:塾に通ってる人ってどれくらいいますか? 水嶋先生:塾は少ないですね。中学生だと個人塾とかに小学生の時からの縁で通い続けたりする子もいますが、だんだん学校の宿題やテストなどと両立が大変になってくると思います。クラスに生徒が35人いて、塾に行っている生徒が5人いるかなってくらいですね。高校生になると予備校行く生徒もいるんですけど、それも少ないですね。 編集部:そうですね、さっきも生徒が塾行かなくてもいいって言ってたので。 水嶋先生:そうですね。塾に行かなくても、大学受験の対策ができるように学校でカリキュラム組んでますから。夏休みや冬休みも講習がありますし。高校での講座数は予備校並みですよ。いろんなレベルにも分かれています。 編集部:じゃあ、塾に通うことについてはどう思いますか? 水嶋先生:塾に通うことって、悪い事ではないと思うんです。お金もかかるので、何とも言えませんが。私自身、予備校に通っていたので、刺激はありました。ただ、毎日の学校生活の負担にならなければいいなと思いますね。本校の学習スタイルは、さっきも言ったように宿題を自分で計画を立てて進めなさいという仕組みなので、塾に行ったら塾の宿題が増えたり、いろんな課題やテストがあったりということになっちゃうので、そういうものが負担にならずにプラスになるんだったら行ってもいいと思います。ただ勉強ができないから行かせるっていうことになってしまうと、結局どっちつかずになってしまいそうで、あまりお勧めしないですね。学校の勉強をまずは全力で頑張るという姿勢でいてほしいですね。
編集部:さっき生徒が、中学1年生の時は勉強のやり方がよく分かっていなかったけど、今は効率よくできているって言ってたんですけど、自主学習のしかたも指導されてたりするんですか? 水嶋先生:試験前は、2週間前になったら計画表を配っていて、本当に細かく、この日、この科目、何時間とかでやる事が書いてあったりするんですね。それを、1週間たった時に担任が集めて、勉強がどうなっているかという状況をチェックするんですけど、それでぜんぜん進んでいなかったら、ここで、こういうのをやって、この時間で、こういうふうにしなきゃいけないんだよってアドバイスするんですよね。
編集部:すごいですね。
水嶋先生:あと高校になると、それが手帳になってるんです。例えば2週間に1回担任が集めて全部見ながらやるんですよね。
編集部:そのへんですよね、多分生徒たちが面倒見がいいって言ってたの。
水嶋先生:多分そうだと思います。
編集部:次ですね、説明会で親御さんからよく聞かれる質問って何がありますか? 水嶋先生:説明会では、私中学の説明会の担当で、よく親御さんから聞かれるんですけど、大学入試とかそういうことよりも、例えば卒業する時に、どんな女性になってますかとか、生徒の雰囲気とか、どういったところに就職されてますかっていうのはよく聞かれますね。 編集部:なるほど。 水嶋先生:あとは、部活を一生懸命やっていますかとか。うちも進学校なので、部活はやらずに勉強ばかりなのか、部活と両立できるのかどうかなど、聞かれます。 編集部:数字を気にされる親御さんもいると思いますけど、そうじゃない感じもありますね。 水嶋先生:そうですね。 編集部:就職先とか聞かれた時、なんて答えるんですか? 水嶋先生:私が知っている限りで答えますけど、それこそJALに勤めてる子もいますし、あとはそうですね、弁護士になった生徒もいますし。最近で一番すごかったのは、東大に進学した子が海外の免疫学系の大学院行って、帰国してから感染症のセンターで研究員やっているんですけど、そういう理系女子もいますよということは話したりしますね。全員がそうではないですけどみたいな(笑)。でも、しっかりみんな就職して立派に社会人をやっていますから、素晴らしいです。溌剌とした姿で働いてくれていることを祈っています。 編集部:ははは。 編集部:ちなみに、人気の職業って何ですか? 水嶋先生:人気なのは、なんだろうな~。本当にたくさんあると思うんですけど、教育実習生が結構来るので教員が多いかもしれません。 編集部:すごいですね。 水嶋先生:たくさん来てくれるんですよ。うれしいです。 編集部:で、そのまま教員になるんですかね。 水嶋先生:なる人がほとんどですね。あとは、英語がすごく強い学校ってこともあって、文系の人なんかはグランドスタッフをやっていたり、あとは普通の企業で商社さんとか勤めていたり、製品開発したりとか。理系だったら、お菓子の明治乳業とか、明治製菓とか行ったりしています。化粧品会社もそうですし、医療系も。 編集部:(説明会では)親御さんたちとか、受験生に学校のどんなところ見てもらいたいですか? 水嶋先生:そうですね、学校見学する時に一番見てほしいのは生徒たちの姿ですね。教員との距離が近いので、相談に乗ってもらいやすいとか、後は部活ですごく部員と顧問の信頼関係が強かったりするんで、学校に来た時には、そういう生徒たちのハツラツとした姿と、教員との関わりというのを見てもらえたらって思いますね。
編集部:はい。行事とかなんですけど、先生の好きな行事って何ですか? 水嶋先生:私が好きなのは、学校全体だと文化祭なんですよね。部活だと、私バトン部の顧問なので、部活の大会ですね。文化祭も大好きです。高校3年生が引退する大切な行事なので、盛大にやります。 編集部:なるほど。バトンってあの、くるくる回すやつですよね。 水嶋先生:そうです。今、大会シーズン真っ只中です。 編集部:あれ、さっき庭でやってたのは? 水嶋先生:あれは、体育祭の応援団です。(笑) 編集部:バトン部じゃないんですね。 水嶋先生:そうですね、はい。
編集部:課外授業ってどんなものがありますか?
水嶋先生:そうですね、軽井沢とか南信州とかそういうのは校外学習で行っています。1年生の時は自然に親しむように軽井沢に行ってみんなのクラスの輪を広げます。2年生は農業体験をしますね。田植え体験やリンゴの摘果などを実施しています。できた作物は、送ってもらってしっかり食べることもできます。あとは1年間の中で社会科見学と遠足があります。社会科見学は年2回あるんですけど、1年生から3年生まですべて班別行動で、自主研修の計画を全部立てさせて行うので、課外授業的には良いイベントかなって思いますね。
編集部:そうですね、実際それも社会人になってから結構、やらないといけないことですもんね。
水嶋先生:3年生の修学旅行が奈良のホテルに班ごとに現地集合なので、その練習も兼ねていますからね。
編集部:へ~。
水嶋先生:なので、新幹線の乗車券も班ごとにとってきてください、みたいな感じでやります。
編集部:それは新幹線で行かなくてもいいんですか?
水嶋先生:いや、それは新幹線で行きなさいって言います(笑)。
編集部:それ面白いですね。解散もですか?
水嶋先生:解散は全員一緒です。帰りは一緒に帰ってきて、東京駅でさよならって解散するんですけど。行きは班に委ねて陰から見守っています(笑)。
編集部:ははは。たどり着けなかった生徒とかっていますか?
水嶋先生:私の知ってる限りいないですね。
編集部:すごいですね。
水嶋先生:本当にすごいです。1年生のときから班別行動しているだけあります。何事も訓練ですね。頼もしいです。
編集部:入試関係で面接ってありますか? 水嶋先生:面接は、中学入試は無いですけど、高校入試はありますね。 編集部:どんなところを見てますか? 水嶋先生:高校の面接の時は、しっかり自分の意見を言えるかとか、あとは表情を見ていたりしますね。明るい表情で溌剌としてるかなとか、あとは緊張しててもいいから一生懸命喋ってるなとか、そういうところですかね。一生懸命さってやっぱり大事ですね。
編集部:中学校入試に関して、併願校ってどういうところが多いですか? 水嶋先生:本校は、千葉寄りの東京なんで千葉県の学校に併願している生徒が多くて、(在校生インタビューを受けてくれた)さっきの子たちは埼玉県に住んでる子たちだったんであれですけど、国府台女子さんだったりとか、聖徳大付属さんだったりとか、あとは両国中学とか、あとはどこだろう、結構いっぱいあって専修大松戸とか、芝浦工業とか、そのあたりが結構多いと思いますね。
編集部:ありがとうございます。合格した生徒に入学してから勉強以外で一生懸命取り組んでほしいことって何ですか? 水嶋先生:入学してからは、中学校とか高校なので、勉強以外だったら部活かなって思いますね。
編集部:授業で心がけていることって何ですか? 水嶋先生:私が心がけていることは、黒板とかそういうものでしたら、字の大きさと、見やすさですね。基本的には子供たちに問いかけるような形で授業をするので、本当に小さな知識でも覚えてるかなって確認するために、わざわざ質問にしてみたりとか、結構そういうのは意識してやっていますかね。参加型にするようにしています。 編集部:結構、化学の授業はじめに苦手に思っちゃう子って多いと思うんですけど、その点どういう工夫されていますか? 水嶋先生:化学って目に見えないものが多いので、正直大変です。原子がとか分子がって言っていても、ぜんぜん目に見えないので。そういうときは、結構子どもたち自身を物質に例えてしまうことが多いです。“あなたは水素原子役ね”とか。で、配役を決めて化学反応をやる時とか、この2人ペアがあっちにぶつかっていくからとか言って、わざとぶつけにいったりとか、1人が別れちゃうからとか言って。結構体張ってやってたりするんですけど・・・わかってくれるといいな。 編集部:ほう。 水嶋先生:それは、中学生には面白いみたいで、楽しくやっています。 編集部:面白いですし、抽象的なのが分かりやすくなりますよね。 水嶋先生:そうですよね、はい。
編集部:ありがとうございます。これまでに習ったことがある先生とかで、尊敬できる先生とかいますか? 水嶋先生:私自身ですよね? 編集部:はい。 水嶋先生:尊敬できる先生はたくさんいます。 編集部:どんな先生ですか? 水嶋先生:私が出会ってきた中で、ほんとに沢山います。私はすごく幸運で良い先生に恵まれてきたと思っています。まずは・・・小学校の時の先生たちは、とても厳しかったけれど生活面をすごく見てくれた先生や、とても優しくて本の世界をいっぱい教えてくれた先生や、お人よしで遊びを沢山教えてくれた先生がいましたね。 編集部:はい。 水嶋先生:小学校のときは、そういう先生たちを見ていました。中学に入ってからはやっぱり部活の顧問の先生が私の中ではすごく印象的でした。授業も音楽の先生だったんですけど、すごく楽しかったです。なんかこう、私にとっては、学校生活を通じて、人としての生き方みたいなのことをたくさん教えてくれたので、そこはすごく尊敬していますね。二人目のお父さんみたいな存在です。(笑)また母校に会いに行きたいです。 編集部:何部の顧問の先生ですか? 水嶋先生:吹奏楽ですね。ガーデニングが趣味でしたけど。
編集部:ありがとうございます。次ですね、生徒から人気はあると思いますか? 水嶋先生:自分がですか? 編集部:自分がです。 水嶋先生:いやー、どうだか(笑)。 編集部:ははは。 水嶋先生:どうですかね、さっきみたいに生徒が話かけてくれたりとか、あとよく「みずしー」とか言っているくらいですから・・・どうなんでしょう。 編集部:そうですよね。 水嶋先生:親しみを持ってもらえてるのかなとは思います。部活ではコンクールの大会前とかは、厳しい話もしているので、人気があるか分からないですけど、信頼はしてもらっているといいなって思います。 編集部:部活の時はスパルタですか? 水嶋先生:うーん・・・スパルタですかね、多分。結構大きい声で指示したりします。グラウンドや体育館は広いので。バトン部は人数が多いので、声張らないとできないですね。編集部:了解です(笑)。 編集部:生徒から人気のある先生って、どんな先生が多いと思いますか? 水嶋先生:やっぱり、生徒とちゃんと向き合ってくれるというか、親身になって話を聞くことを大切にしている先生だと思いますね。あとは明るい先生だったり、勉強に対してすごく真面目な先生だったりっていうのは大事ですよね。
編集部:子どもを褒めて育てたほうがいいと思いますか、それとも厳しく育てたほうがいいと思いますか。 水嶋先生:2択ですよね? 編集部:はい、もしくはその折衷でも。 水嶋先生:私は、なんだろう、半々までいかないですけど、正直厳しさ6割、優しさ4割みたいな感じで子どもたちに接しているつもりです。やっぱり褒めてあげるポイントって必要なんですけど、褒めるためには厳しくしなきゃいけないところがあってこそだと思うので、厳しくした後に必ず褒めるところを見つけるというつもりでいるので、どっちも必要かなって思いますね。 編集部:コンクールの後とかは、褒めることのほうが多いですか? 水嶋先生:その時にもよりますけど、結果がぜんぜんダメみたいな時に褒めても、子どもたちも納得いかなくて、なんで褒められたんだろうってなっちゃう時があるんですよね、ダメな時はダメって言うし、ちゃんと近くにいて状況が分かっていれば、良い対応ができるのかなと思いながらやってますけど。
編集部:どんな生徒に来てほしいと思いますか? 水嶋先生:いろんな生徒さんいると思うんですけど、江戸川女子らしさみたいなのがやっぱり、明るくてハツラツという雰囲気があるので、頑張り屋さんな感じの子が来てくれるといいなって思います。ちょっとおとなしい感じの子でも、環境がこういう女子校になると、友達が増えたり、活躍できる場所が増えたりして、新しい自分を発見できたりしますよ。みんなで頑張り屋さんになれるかもしれません。
編集部:先生、公立の中学校ご出身ですか? 水嶋先生:私は私立女子中高出身です。 編集部:私立ですか、わかりました。次の質問行きます。中高一貫校にあって、公立中学に無いものってなんですか? 水嶋先生:そうですねー、公立が正直、私も経験が小学校しかないので分からないですけど、公立って結構縛りが強いのですかね?旅行とか、子どもたちが校外学習とか、課外学習をする中で、結構範囲が狭まるのかな? 編集部:確かにあると思いますね。責任があるので、自由に現地まで行かせるとかは絶対無いと思います。 水嶋先生:そういう意味では私立のほうが、すごくこう、中高時代に見ることができる視野が広がったりとか、経験することができるイベントの規模とか全然違ったりっていうのはあるんじゃないかなって思います。はい。 編集部:そうですね。ちょっと大人しい子とかでも、自分の得意なものとかを伸ばしていける環境。 水嶋先生:そうですね。 編集部:だから、いじめとか少ないと思うんですよね。 水嶋先生:少ないですね、はい。共学とかとはまた雰囲気がぜんぜん違うので、共学でぜんぜん前に出てこれなかった子が、女子校に来たらすごく頑張れちゃうこともあります。
編集部:ありがとうございます。次、先生の人柄についてみたいな感じなんですけど、先生になった理由を教えてください。 水嶋先生:私ですか? 編集部:はい。 水嶋先生:私は、さっきも話したんですけど、今まで出会ってきた先生たちがとても良い方たちでしたので、憧れました。当時は厳しいなとか、遊ばせてばっかりで勉強もすればいいのにとか、いろいろ小さいながらに不満があったと思うんですけど、大きくなってみたらそれって全部その時々で、この時は生活面、この時は遊び、この時は勉強っていうように、結果的にたくさんのことを教えてもらったように感じられました。自分で言うのもなんですけど、その先生方の良い所を自分が吸収できたような気がしています。それも含めて、私が子どもたちの前に立って、多くのことを教えることができるかなと思いました。あとは単純に学校が好きだったので、学校に通いたいなって思いました。 編集部:なるほど、いつ頃から思ってたんですか? 水嶋先生:小学校を卒業する時は、学校の先生になるって卒業文集に書いていたんですけど、ずっとその夢が続いていた訳じゃなくて、途中で美容師になりたくなったりとか、薬学部目指してみたりとか・・・紆余曲折あったんですけど、大学受験したときに、教職課程を取ると決めてからは、教員の道を志しました。最終的にたどり着いた場所はここでしたね。この仕事を選んでよかったです。
編集部:好きな本とか影響を受けた本ってありますか?映画とかでもいいですけど。 水嶋先生:そこまで有名な映画とか本ってどうなんだろうなぁ。私は読み物の本よりも絵本のほうが好きで、教室とかにも置いてあるんですけど、たとえば「僕を探しに」とかいう本があって、すごく小さい子向けの本なんですけど奥が深くて、挫折とか繰り返したりする主人公が、最終的に自分を見つけるみたいな話があったりするので、そういう本は自分が近くにいる子どもとかに、すごく影響を与えられそうな気がして、よく集めてます。
編集部:なるほどですね。その本読むことってあるんですか?最近。 水嶋先生:あります。子どもたちに読み聞かせをすることがあるので。読み聞かせをするときは、子どもたちもいろいろ感じ方が違うので、“どう感じた?”とかホームルームで聞いたりとか、生徒各々に書いてもらったりすると、とらえ方が全然違うので、すごく面白くて、“この子はこう感じたみたいよ”とか、名前は出さないんですけど、その感想を共有することで、それぞれ抱く気持ちは違うんだなとか、逆に同じなんだなというのを知ってもらおうかなって思いますね。 編集部:ありがとうございます。 水嶋先生:はい。
編集部:趣味とか特技とかってありますか? 水嶋先生:吹奏楽だったので楽器を吹くんですけど、今でも「ビッグバンドジャズオーケストラ」っていうのを大学の友人と立ち上げて、たまにライブとかやったりするんです。編集部:やるんですか!? 水嶋先生:やるんです。好きなので、続けています。 編集部:楽器は何をやられてるんですか? 水嶋先生:私は、アルトサックスを吹いていますね。 編集部:ありがとうございます。せっかくなんで好きな曲を教えてください! 水嶋先生:曲ですか!?うーん、いろいろあるんですけど「Moon River」って曲が好きですかね。
編集部:ちょっと、僕わからないんですけどごめんなさい・・・。 水嶋先生:ははは(笑)。普通のカラオケとかで歌う曲だったら何聴くかな、私は結構ドリカムとか好きなんで、ドリカムとか歌います。歌も得意です。 編集部:ありがとうございます。 水嶋先生:はい。
編集部:じゃあ、江戸川女子の生徒の特長、どんな生徒が多いですか? 水嶋先生:多分、世間一般から見たら真面目だと思います。学校内で見ると様々で、基準値が上がってこの子は真面目だとか、真面目じゃないとか色々ありますけど、多分世間一般から見て、勉強頑張ろうって思っていたりとか、大学行こうとか、ちゃんと就職しようとか考えているので、さっきの二人もそうですけど、すごく根は真面目な子が多いと思います。
編集部:そうですね、はい。
水嶋:はい。
編集部:まぁ、真面目ですけど結構元気良いですね。
水嶋先生:そうなんですよ、分からないですけど結構パワフルな人たちが多いです。
編集部:そうですよね(笑)。
水嶋先生:すごい頑張り屋さんが多いですし、へこたれないですよ。叱られちゃったら、悔しくて泣いて食らいついてくるくらいの子が多いです。精神面も強くなりますね。 編集部:へ~、すごいですね。結構大人っぽいですよね。
水嶋先生:あ~、それもありますかね。
編集部:と、思いました。あ、男子校行った後だからかな。
水嶋先生:男子校はまた全然雰囲気違うのでしょうね。
編集部:ここ入ってどれくらいですか? 水嶋先生:私がですか? 編集部:はい。 水嶋先生:私は9年目です。 編集部:その、入った当時と今で変わってることってありますか? 水嶋先生:流行りもあったかもしれないですけど、入った当初のほうがいわゆる・・・ギャルみたいな子がいました。 編集部:へ~。 水嶋先生:最近はいないです。 編集部:いないですよね、なにかあったんですか? 水嶋先生:髪染めちゃったとか、あんまりないんです最近は。なんでですかね、分からないんですけど黒髪流行ってるとか? 編集部:校則で染めるのはダメなんですか? 水嶋先生:ダメですね。私も結構指導したこともありました。最近いないなって思いますね。 編集部:よく言うと、手のかからない子が多いってことですか? 水嶋先生:手のかからないというよりも、こちらから見えないLINEやTwitterとか、そういうことのほうが増えてしまっています。
編集部:ちなみに、携帯電話は持ち込みはOKなんですか? 水嶋先生:緊急用で持ってきてもいいんですけど、朝集めて帰りに返します。登下校中は緊急時以外は使えないのが規則です。 編集部:なるほど。LINEとかTwitterとか、他の学校さんとかで、それでなんかイジメとか起こっちゃったりとかあるらしいんですけど、それってどのように対処されてますか?水嶋先生:基本的には、教員がクラスや部活とかで、そういう誹謗中傷はしないようにと指導します。言ってしまえば子供からそういうアプローチがあった時に、実際そういうのを見させてもらって、何が書いてあるとか把握したうえで慎重に進めなければいけないことですので、子どもたちとじっくり話して、自分のしたことと向き合ってもらいますね。 編集部:発見するのが難しいですもんね。 水嶋先生:そうなんです。子どもたちの中から出てくればいいんですけど、出てこなくて手遅れだったみたいなのは怖いなって思うんで、気を付けて日々生徒の様子を観察しています。編集部:毎日、生徒と書類をやりとりしているじゃないですか、そういったところで変化を感じたりとかってありますか? 水嶋先生:あります。例えば子どもたちの会話でも、今日LINEするねとか、今日浮上するからとか、Twitterなどの話題をいろいろ言ってたりするんですけど、なんかやっぱり何かあったときは表情が暗かったりとか、なんかお弁当食べてるメンバーが変わったなとか、わかります。そういう時に声かけると、結構うちの子たちは話してくれるので。“LINEでこう書かれちゃって”とか、“誰に向けて書いてるか分からないけど私のことかな”とか言うんですよね。 編集部:LINE怖いですね。文章、ニュアンスが読み取れないから怖いですよね。 水嶋先生:そうなんです。やはり、相手が不快に思ったりということも文章でやりとりすると、そういう捉え方が増えてしまったりするので、日々の指導の大切さを教員もしっかりと認識しています。保護者の方にも、保護者会でそういったお話をよくします。ご家庭の方からも同じように指導していただき、協力体制を整えていきたいと思っています。
編集部:ちなみに、ここの学校の先生は、この学校の卒業生って方いらっしゃいますか? 水嶋先生::います。 編集部:何人くらいいらっしゃいます? 水嶋先生::今5人くらいいらっしゃいますね。 編集部:自分の子供も、この学校に入れたいと思いますか? 水嶋先生:私は、自分がここで働いていないのであれば、入れたいなって思います。 編集部:なるほど。 水嶋先生:一緒の学校で毎日過ごすのは、子どもが嫌がりそうだと思うので、自分がいなくてって設定でしたら。 編集部:だったら、ぜひ? 水嶋先生:入れたいなって思います(笑)。
編集部:この学校の生徒の好きなところを教えてください。 水嶋先生:好きなところですか? 編集部:生徒たちの。 水嶋先生:なんだろう。本校の生徒はすごく頑張り屋さんが多いので、私も学生の時に戻ることができるくらい、一緒に熱い気持ちになれることが好きですね。部活の時間、クラスでの時間を共に過ごすことができるので、好きなところと言えばなんかこう、ずっと自分に青春時代の熱い気持ちを感じさせてくれるところだと思いますね。それだけ生徒たちが真剣に一生懸命に、そして素直に学校生活を送っているということなんだと思いますから。 編集部:いいですね~。 水嶋先生:それが多分、教員をやめられない理由かもしれないです。
編集部:ありがとうございます。逆に生徒たちに直してほしいことありますか? 水嶋先生:直してほしいのは、TwitterとかのSNSをやりすぎるということです、ほんとに。もっともっと実際に相手の顔を見て、表情を見て、感じてほしいことがたくさんありますから。 編集部:あ~。 水嶋先生:何か相手に言いたい、伝えたいという思いがあるなら、直接しっかりと自分の言葉で言えるようにしてほしいですね。 編集部:なるほど(笑)。 水嶋先生:あとは、もっともっと失敗とか恐れずにいろんなことに挑戦してほしいと思います。 編集部:うんうん。 水嶋先生:個人的に感じるのは、根が真面目なので、失敗してはいけないと思っているような気がします。失敗しても、そこから立ち上がろうという精神力や素直さや負けん気の強さがあれば、まだまだ自分を成長させることができるし、周囲の人も一緒にいて刺激を受けると思いますから。ちょっとくらい失敗しても、折れないでほしいですね。 編集部:了解です、ありがとうございます。じゃあ、以上で終わりになります。 水嶋先生:ありがとうございました。 編集部:ありがとうございます。
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